2007年07月01日

アルゼから「青ドン」登場

パチスロメーカーのアルゼ(株)をご存知の方も多いと思う。
アルゼという社名に変更する前はユニバーサル販売という社名
だった。
映画のユニバーサルとはまったく関係はない。

パチスロメーカーとしては今のサミーと同様に当初苦戦していたが、
3号機(リプレイがない機種)のコンチネンタルV、4号機(リプレイの
ある機種)のコンチネンタルT・Uあたりから徐々に名前が売れ始
めた。
その後傘下にメーシーや瑞穂製作所などの、裏物を作っていたとし
て一時回胴遊商を除名されたメーカーを傘下におさめていった。
当時の岡田社長(現会長)の強烈な個性とリーダーシップによりクラ
ンキーコンドル、サンダーV、花火、タコスロ、ゲッターマウスといった
超人気機種を立て続けに発売し、パチスロメーカーの第一人者とし
て不動の地位を築いたかに見えた。

その勢いに乗って1998年有明に本社ビルを建ててから少しづつ歯車
がおかしくなってきたようだ。当時のアルゼはGoodwillや光通信と同様
にハードな仕事ぶりが有名だったが、その凋落ぶりに歯止めをかける
ことは難しかったようだ。

今年の3月期短信で監査から修正を要求されて6月27日に訂正した
経営成績を発表したが、結果を端的に述べると売上高 363億8700万
円で営業損失 27億9100万円。それを営業外の固定資産売却益、
貸倒引当金戻入益、償却債権取立益、持分法による投資利益、持分
変動利益などの特別利益でまかなって、特別損失と相殺した結果、
94億5300万円の当期純利益を捻出した。

セグメント別の営業成績でいくと、本来のパチスロ・パチンコ機の
売上高は 316億500万円 で、営業利益も 61億600万円 を確保して
いる。ゲーム機器事業で営業損失を 13億2900万円 出しているもの
の不動産事業でもその他の事業においても営業利益を出している。
当初売上に加えていたセグメント間の売上を 19億3000万円 削除
して、さらにセグメント別に割り当てられない営業費や一般管理費が
87億600万円 発生していることが営業損失を出した原因になってい
る。

だからといって、アルゼのパチスロ事業が凋落の一途をたどって
いたことは間違いない。
5号機(技術介入要素がない機種)のデビルマン以降、これといって
ヒット機種にめぐまれていなかった。おそらくアルゼの営業マンも
相当苦戦したに違いない。ホールではアルゼの機種にまったく客が
いない状況が続いた。

そんな中、6月11日に発売された「青ドン」は違っていた。

「青ドン」は、花火→大花火→ドンちゃん、と経て名機復活といわれ
る血統書付きのマシンだ。
花火のリール配列の中でドンちゃんという名前の花火職人の顔が
3つ立て続けにならんでいて、その3連ドンちゃんが現れたときの
迫力たるや、私達打ち手は度肝を抜かれた。(最初に3連絵柄を
採用したのはサンダーVでこれもすばらしい機械だった。)
売当初辛い機械として設定6がいたるところに転がっていたが、
ひとたび技術介入の方法がちまたに広がるとオール設定1でも
ホールが赤字になることがあるほど甘い機械になった。クランキー
コンドル、サンダーVも同様ですが、発売当初は辛い仕様で、
技術介入で甘くなり客を引き付けるというのがアルゼの販売戦略
だったようです。

今回の「青ドン」は確かに青いドンちゃんが3連で残っているし、
ほんの少しの技術介入の要素もある。しかし今回ははっきり
言ってホールが異様な光景なのだ。辛すぎてまったく出ていな
いのに客が飛ばないのだ。つまり空台をさがすのも大変なくら
い稼動しているのだ。箱を使っている客は一島10台くらいの中
で2人〜3人程度だというのに、客が離れない。空いてもすぐに
うまってしまうありさまだ。箱を使っていても1000枚〜2000枚強
積んでいればいいほうだ。(花火は設定6で3000枚〜6000枚は
ほぼ確実だったし、1万枚を超えた話もちらほら聞いた。私の
最高記録は6900枚。)

花火や大花火に対するノスタルジアは確かにある。

私も花火で食わせてもらった年代だ。

私も「青ドン」を打つが、液晶はほとんど見ない。以前に
比べるとかなり小さくなってしまったかわいそうなリールを見て
感慨深いものを感じるが、とにかくリールだけ見てばしばし
打っている。自分がスロットを打つマシンになっている状態だ。

液晶ははっきり言うとウザい。出来ればなくていい。

子役を先に教えてくれることが多いのでわくわく感が半減
してしまうし、おおげさな演出にかぎってはずれなのでまったく
信用できない。さらに親方や弟子の言葉の内容が子供じみ
てて耳障りなので、私はカットしてぶん回す。ときどき出現
するミッションもRTかベル確率アップくらいなら楽しみにでき
るのだが、いまのままだとなんの期待もあおらないのでいら
ない。
挟み撃ちDDTで、液晶より先にあらわれるリーチ目が美しい。
中リールの氷7が両サイドのリールの氷に囲まれて埋もれた
ように見えるその出目を見ることができただけで幸せになれ
る。

やっぱり花火ではないけれど、花火の血をひくマシンに
液晶なんかいらない。(ちなみにドンちゃんは液晶が付き。)
リール配列とリーチ目だけで充分堪能できる。自分をスロット
を打つマシンつまりスロットマシンに変えてくれる機械がすきだ。

まだ詳細の仕様は発表されていませんが、できれば設定
判別ができる仕様になっていてほしい。私が実際に打った
感覚だと、ベル確率に大きな差はないように思うのですが、
氷の確率が違うような気がします。それとBB中の氷の
出現率も違うかも、、、

それから、今アルゼの株価は3月の最安値に近い価格まで
落ちています。今が買い時な気がしているのは自分だけで
しょうか?
posted by もりしん at 04:20| Comment(34) | TrackBack(14) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月24日

中国のCO2排出量が世界トップになったことについて

6月20日に話題になった話ですが、2006年の中国のCO2排出量が、
米を抜いて、世界トップになったらしい。

これはIPCC(=気候変動に関する政府間パネル)の発表ではなく、
オランダの政府系環境機関MNPが発表したものだ。

MNP(=Nederlandse Milieu-en Natuurp;anbureau)はイギリスの
大手石油会社のBPのエネルギー統計と米地質調査所のセメント
生産統計を基にCO2の排出量を計算したらしい。

世界的には化石燃料(石油、ガス、石炭)から発生するCO2の
増加率は2005年に比べると少なくなっているらしい。ただし、あく
まで前年対比で減少しているのではなく「増加率」が少なくなって
いるだけらしい。つまり伸びが鈍化しているだけで減少している
わけではない。
その中で中国の場合、建設ラッシュによるセメントの需要が急激
に上昇し、石炭火力発電が多いためセメント生産の電力供給の
ために石炭をたくさん燃やしたことがCO2の排出量を増加させる
ことになったらしい。ちなみに中国は世界のセメントの44%を生
産している。
中国の現状の発電設備のままであれば、どんな産業が発展して
もCO2の排出量が増えるようことになる。石炭火力発電がセメント
業界特有のものであれば、セメント産業だけの問題になるが、仮
にそうだとしても世界の44%も生産しているということは簡単に
改善されそうもない。

ちなみに、2004年の石化燃料によるCO2の排出量の上位の国は
以下のとおり。( )内の数字はシェア。
1位:アメリカ   58億7400万トン (22.1%) 
2位:中国     48億700万トン (18.1%)
3位:ロシア    15億9100万トン (6.0%)
4位:日本     12億7900万トン (4.8%)
5位:インド    11億4400万トン (4.3%)
6位:ドイツ     8億4700万トン (3.2%)
7位:イギリス    5億7900万トン (2.2%)
8位:カナダ     5億4000万トン (2.0%)
9位:韓国      4億6900万トン (1.8%)
10位:イタリア    4億5400万トン (1.7%)
世界の総排出量:265億2800万トン

人口1人当たりの石化燃料によるCO2排出量の多い順は
以下のとおり。
1位:アメリカ 20トン
2位:ロシア  11.1トン
3位:ドイツ  10.3トン
4位:日本   10.0トン
5位:イギリス 9.7トン
6位:中国   3.7トン
7位:インド  1.1トン

日本は総排出量・人口1人当たりの排出量ともに世界4位だ。

う〜ん、これを書いているだけで日本の立ち居地がわかって
きて気分がわるくなる。

上記の順位はあくまで2004年度のもので、今回2006年度の
順位では中国がアメリカを抜いて排出量62億トンで世界トッ
プになたわけだ。中国の言い分としては「人口1人当たりの排
出量は先進国から比べるとまったく少ない」と弁解しているよう
だが、中国の人口でアメリカやロシア並みに排出されでもし
たらたまったものではない。


ちなみに、先日のハイリゲンダムサミットで、EU、カナダ、日本の
提案により「世界の温室効果ガス排出量を2050年までに半減す
る」ということが合意された。

いつを基準に半減するのかということで、ドイツのメルケル首相
は1990年を基準としようと述べ、日本の安倍首相は現状(=おそ
らく2007年)を基準にしようと述べたらしい。

2007年を基準にした場合、2007年の推測値から換算すると1990
年の排出量から31.1〜32.7%削減することと等しいらしい。
ちなみに、NIKKEI・NETによると2007年2月に発表された国立環境
研究所・京都大学・立命館大学・東京工業大学・みずほ情報総研
がまとめた「2050日本低炭素社会シナリオ」には2007年を基準にし
た場合の2100年の温度上昇は2.1℃で、1990年を基準にした場合
の2100年の温度上昇は1.9℃と予想されるらしい。
ただし、IPCCの第1作業部会がまとめた資料をもとに生態系に及ぼ
す影響を第2作業部会総会で今年の4月6日に話合われたが、その
際に経済活動や人間に与えるインパクトが大きすぎるとして削除さ
れた表現の中で、「気温の上昇幅が2〜3℃を超えると数十億人規模
で水不足に直面する」ことや「2割から3割の種が絶滅に瀕する」という
表現があった。

とすると、1990年を基準にしても、2007年を基準にしても2100年は
危機的な状況になることにはかわりはないことになる。

排出量を50%削減しても2100年には危機的な状況になっている。

これは文句なしにまったなしなのだ。

中国やアメリカが自分勝手な解釈を述べている状況ではない。
当然なことながら世界が一丸となってすすめなくてはいけない。
posted by もりしん at 04:02| Comment(1) | TrackBack(5) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月20日

コムスンの訪問介護事業の受入を検討しているニチイ学館について

前回コムスンの不正請求事件に係るGoodwillグループの話を
書きました。
その後、居酒屋のワタミやニチイ学館が受け入れ先として名乗
りをあげていることで話題になりました。

ワタミは居酒屋で有名ですから知らない人はほとんどいないと思
います。

でもニチイ学館ってなに? と思われる方も多いのではないでしょ
うか?(私もその一人ですが、、、)

ニチイ学館は東証1部上場企業で、全国に800拠点以上のニチ
イケアセンターという介護サービスの拠点を持っている。
サービスの内容は、介護プランの作成、訪問介護サービス、通所
介護サービス、訪問入浴サービス、福祉用具サービス、住宅改修
サービスなと多岐にわたっている。
小売業最大手のニチイとは資本関係はない。

このニチイ学館がコムスンの訪問介護サービスの受け入れ先とし
て名乗りをあげているようだが、マスコミが先走って報道した様子
で、6月12日にまだ検討段階であると発表している。

ところで、このニチイ学館ですが、19年3月期の短信(平成18年4月
1日〜平成19年3月31日までの業績)は以下のとおりです。
連結経営成績は、
売上: 2025億4900万円(前年対比マイナス1.8%)
営業利益:26億3500万円(前年対比マイナス47.2%)
経常利益:27億900万円(前年対比マイナス47.7%)
当期純利益:7億7400万円(前年対比マイナス60.8%)

前年対比で大きくマイナスになっているのも気になるが、それ以上に
気になるのが利益率だ。売上に対する経常利益率は1.3%しかない。
1部上場とはいえまったくの薄利の経営になる。

さらに、昨年の4月から介護保険制度改革に対応するために平成17
年から介護状態にならないように予防を行うサービス(=介護予防サ
ービス)の機能を追加した「多機能型ケアセンター」の全国展開をす
すめていたが、地域自治体の運営する「地域包括支援センター」が
充分に機能せず、しかもいままで重度の要介護者として扱われて
いた人たちが制度改正に伴い軽度の要介護者として扱われるよう
になったばかりか在宅介護報酬が平均で1%引き下げられ特に
在宅軽度報酬は平均5%の引き下げとなったため、在宅軽度利用
者が多いニチイ学館の経営に大きく影響することになった。

その他にも連結子会社の売却や清算の影響や、教育事業における
受講生数の減少等により大きく減収となった。実際に教育事業におい
てはホームヘルパー資格の先行き不透明感や他業種での雇用改善
などの影響で受講生は減少し、19年3月短信での教育部門の売上高
は 124億6900万円 であるのに対して、営業損失が 17億900万円(前
期の営業損失は 24億1900万円)も発生している。


ところで、コムスンの報酬の不正請求事件は大きな話題となったが、
ニチイ学館も例外ではない。
今年の4月10日に東京都から介護報酬算定に関する業務改善勧告
と文書指導を受け、ニチイ学館が東京都内の全事業所の自主点検
を行った結果、都内の161事業所のうち、64事業所において不適正
な介護報酬算定事例が見つかり、4439万円強を自主返還すること
になった。

19年3月期短信の純利益が 7億7400万円 のなかの 4439万円だか
ら5.7%に当たるお金がなくなることになる。

さらに今回東京都の指示にしたがって調査した結果でこの金額だ
から事態が全国に及んだ場合の被害はニチイ学館の経営の存続
自体に影響を及ぼすことになりそうだ。

決して不正請求を正当化するつもりはないが、これだけ薄利のな
かで経営しているわけだから、報酬の水増しでもしなければ会社
として存続できないギリギリの状態だったことも察しがつく。

コムスンの場合と異なりニチイ学館の不正請求に関する誠意の
ある対応には多少なりともいさぎよさを感じるし、コムスンのよう
な悪質なイメージはない。

う〜ん、個人的な意見だけど、介護事業者の不正を問題にする
前に国の介護保険制度の改悪を問題視したくなる。
介護事業は高齢化社会がすすむ現状では必要不可欠な事業
だと思えるが、事業として独り立ちするのにまだ時間がかかり
そうな気がする。国が率先して事業を育成に力をいれて欲しい
と思うのは私だけだろうか?
posted by もりしん at 02:04| Comment(2) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月08日

コムスン 介護事業指定取消しについて

私はイブニングという講談社の雑誌の「ヘルプマン」という漫画
の愛読者だ。

「ヘルプマン」の内容は老人介護問題を題材にしたもので、老人
に対する本当の介護とはなんなのか? 老人がボケる理由と
SEXとの因果関係とボケ防止の対策はなんなのか? 大手介護
事業者がかかえるジレンマと国の立場に立つ公務員がかかえる
ジレンマがあること。そのジレンマを違法ぎりぎりのところで解決
しながら本当に介護を必要とする老人やその家族を助けるため
に活躍しようとする資格を持たない青年と、資格を持っているが
国の基準を守ろうとしておしつぶされそうになった友人が主人公
となる漫画です。外国人介護者を受け入れようとしない政府の
施策を批判する話もあったりする。

「ヘルプマン」の話をすべてうのみにしているわけではない。
でも、老人介護問題のなかにあまりにも深い闇の部分がある
ような気がしてならない。

「深い闇の部分」とはひとりの人間の人格の問題でいいかえるな
らば、青年期に大きなとらうまや心の傷をかかえたままに大人に
なった人がその問題にまっこうから立ち向かうことができなくて、
避けているうちに自分が意識できない奥深くに闇の部分を作って
しまったような印象があるということだ。

もっと簡単に言えば、本来「老人介護問題」は「慈善事業」でなく
ては当事者である老人もサービスを提供する介護者も幸せにな
れないものなのに、老人介護事業自体の成り立ちが営利目的で
はじまってしまったこと自体が深い闇の部分を作りだしている気
がしてならない。

コムスンの介護報酬の不正請求事件が今おおきく取りざたされて
いる。また、厚生労働省がらみの事件になるが、ことの発端はか
なり以前のもののようだ。

コムスンが昨年12月に介護報酬の不正請求の疑いがあるとして
東京都が都内の187事業所のうち53ヶ所に立ち入り検査を行った。
その結果不正請求が事実であったことが判明し、東京都は2007年
3月三事業所の指定取消の準備を進めていた。 3月23日にコムスン
の関係者に出頭するように伝えたところ、同日付で該当する事業所
の廃業届けを出したために処分ができなくなってしまった。それと
同様のケースが岡山県でも今年の5月2日に発生した。コムスン側は
「以前から計画していた事業の縮小の一環にすぎない。」と言い訳を
した。岡山県の場合、処分を逃れるための廃業と見られる可能性が
あるとして県が注意を呼びかけたがそれに応じなかった。
そのほかにも青森県、群馬県にも介護報酬の不正請求が発覚し、
東京のケースと同様に処分前に事業所の廃業を行っている。
また、神奈川県のケースでは61ヶ所ある事業所のうち42ヶ所もの
事業所を一度に廃業している。

指定取消しの場合は、その事業所だけではなくほかの事業所にも
指定取消しを適用することができる。しかし、廃業した事業所に対し
て指定取消しができないため、必然的に他の事業所にも指定取消し
ができなくなることになる。 そのためコムスンが上記のようなふてぶ
てしい荒業を行うことになり県や国が頭にきたわけだ。そのため
厚生労働省がこのたび全国約2000事業所のうち1600ヶ所の指定
取消しを行うことになった。取消しになるのは2008年から2011年12月
までに認可が切れる順に行われる。

ちなみに、岡山県の場合は取消しではなく400万〜500万円の返還を
行えばよかったのだが、コムスン側の国や県を愚弄した対応が火に
油をそそぐことになった。

さらに、グッドウィルグループが従業員の雇用確保と介護サービスの
維持を目的としてグッドウィルの子会社である日本シルバーサービス
にコムスンの全事業を譲渡しようとしたが、事業所の免許がすべて
日本シルバーサービスに書き換えられることになり処分ができなく
なるため、コムスン自体が雇用確保とサービス維持を2011年の認可
が切れるまでの間責任をもって行うよう、譲渡の凍結を行政指導され
ることになった。


コムスンは1988年に北九州市で榎本憲一氏によって創業された。

当時は高齢化社会が進むことが確実視されはじめた時代で、大きな
利益を生むマーケットとしてマスコミもこぞって取り上げていた。その
中で榎本氏は時代の先駆者としてもてはやされていた。
その後コムスンは在宅介護サービスシルバーマークを取得したり、
在宅入浴サービス事業を開始するなどし、1996年には厚生省から
訪問介護員養成研修機関の認定を受けるなどした。
しかし、大きな利益を生み出すだろうと思われていた老人介護事業
は人件費や設備投資に予想以上の費用がかかり、利益を生み出す
どころが存続があやうくなっていた。また、介護要員に精神的にも
肉体的にも大きな負担がかかるばかりか、賃金も低い問題なども
露見し、大学に進学しなかった学生が介護福祉の専門学校に
大量に進学するものの、実際に介護士になる人が極めて少ない
ことなど、さまざまな社会的なひずみを生み出していった。

コムスンの救済を行うため、1997年にグッドウィルが資本参加する
ことになるわけだが、この時点で救済側の企業の選択にあやうさを
感じていたのは私だけではないと思う。

グッドウィルはもともと光通信が出資していたはずだ。
私も7.8年前だったと思うが当時六本木交差点のすぐ側にあった
本社に行ったことがある。 徹底した成果主義を採用しているため
社員はほとんど寝る間もないくらい仕事をしていた。まさに当時の
光通信と同じような体質の企業だった。

グッドウィルは1961年生まれの折口雅博氏が防衛大学を卒業後、
日本ユニバック(現日本ユニシス)、日商岩井を経て当時のディスコ
ブームをつくったジュリアナ東京や六本木のヴェルファーレを経営し
た後に1995年に立ち上げた会社だ。創業当時はアメリカ合衆国の
障害者の支援のために、リサイクル品を販売していたが、現在は
派遣業がメインになっているようだ。売上的にはコムスンと派遣業
が現在のグッドウィルのメインになっているらしい。

もともとグットウィルは収益のすべてを自立支援の職業訓練の
ために提供し、儲けがない状態で経営されていた不思議な会社
だったらしい。
それが、光通信なみの経営体質にかわり創業当時の善意=Good
Will はどこに行ってしまったのか?

もともとジュリアナ東京やヴェルファーレを経営していたというだけ
でもヤバそうな人ではあるが、今回のコムスンの都や県を愚弄す
るような行為を勧めたのもおそらくグッドウィルグループであること
は推測できそうだ。

本来慈善事業であるべき介護事業が営利目的で発生し、それを
受け継いだGoodwill にはCommon Sense が欠けていたという訳
だ。 しゃれのようなしゃれにならないイタイ話だ。

ちなみに、グッドウィルグループは2006年11月17日に派遣業で
最大手だったクリスタルグループを約880億円で買収したと発表
したが、実際の買収が10月31日に行われていたことが発覚し、
12月11日に東京証券取引所から情報開示が遅れたことと買収
の期日の訂正があったことは不適切であり(株価操作もしくは
利益操作にかかわる問題として)報告書の提出を求められて
12月25日に改善報告書を提出しているらしい。

う〜ん、これって日興コーディアルグループの不正会計処理と
同じ手口ですよね。

うさん臭い会社が慈善事業ばりなことをしようとするわけだか
ら精神も腐っているし、やることも腐っているし、もともとうまく
いくはずもない。

老人介護問題こそ国が率先して支援して欲しいと思うけれど、
その国もこころもとないし、公的資金だけ投入するとなると
その資金を目当てにうさん臭い連中が集まるだけだし、にっち
もさっちもいかない。

今の世の中で目立っている人に善意を感じない。善意を持った
人は目立たずひっそりと生活しているように思える。それくらい
善意を感じる人が見当たらない。できるだけ早く今の世の中が
変わってくれることを祈るしかない。
posted by もりしん at 03:57| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月05日

アップルが文化庁を非難のCNETの記事について

CNET Japan の記事によると、アップルジャパンが文化庁に
対して、「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべきだ」
と文化庁を激しく非難しているとしている。

以下はCNET Japan の記事の抜粋です。
「私的録音に関する著作権者への補償金支払いをiPod課金
問題」に対し、アップルジャパンが内閣官房に提出した意見書
の全文が首相官邸のサイトに公開された。アップルはこの制度
には科学的根拠がないとして、即時撤廃すべきと強く主張して
いる。
著作権法では、個人が楽曲、映像などを個人的に楽しむため
に私的録音・録画をすることに対して、著作権者に補償金を
支払うよう定めている。これは私的録音・録画補償金制度と
呼ばれ、対象製品はこの保証金が含まれた価格で販売され
ている。現在対象となっているのは、デジタルオーディオテー
プレコーダー(DAT)、デジタルコンパクトカセット(DCC)、
ミニディスク(MD)、オーディオ用CD-R、オーディオ用CD-RW
の5つだ。
しかし、近年、iPODなどのデジタルオーディオプレーヤーが
普及してきていることから、こういった製品も私的録音・録画
補償金制度の対象にすべきという議論が著作権者団体を
中心に巻き起こった。現在では、文化審議会著作権分科会
の私的録音録画小委員会で議論がなされている。もしデジタル
オーディオプレーヤーが対象になると、補償金の分だけ製品
が値上がりする可能性があり、消費者やデジタルオーディオ
プレーヤーのメーカーが反対している。
この問題に対し、アップルは「科学的かつ客観的証拠に基づか
ない理由による私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき
である」と強く主張する。
その根拠は5つ。まず、1つの家庭で同じCDなどの著作物を
2枚、3枚と買う可能性は極めて低い。これはそもそも音楽
レーベルも理解していることで、そこには「黙示の承認がある」
という。承認しているのであれば、CDの販売料金に加えてさら
に料金を徴収するのは二重課金にあたるという考え方が定着
しているという。
2つめは、そもそも私的複製ができないような措置を取ってい
ない音楽レーベルにこそ問題があるという考えだ。私的複製
により権利侵害を被ったというのであれば、それを自らの手で
技術的に防ぐべきではないかとアップルは指摘する。「自ら
製造販売している製品の不備をハードウェア会社に対して
責任転嫁するのは無責任かつ自己中心的な姿勢である」
3つ目は、補償金制度を携帯危機に対して導入しているの
は僅か11カ国、全体の6%に過ぎず、国際的に見て標準
的なものではないというもの。
4つめは、iPodが有料かつ合法的なコンテンツ流通の推進
役となっているというものだ。iPodユーザーは一般ネットユ
ーザーの3倍有料コンテンツサイトから毎月コンテンツを
購入しており、ユーザーがPtoPサイトなどで違法コンテンツ
をやりとりするのを防いでいると主張する。
5つめは、アップルが世界最大のデジタルコンテンツ流通
企業であるというものだ。iTunesを通して販売されている
楽曲は累計20億曲におよび、2006年度には12億曲を
販売したと紹介したうえで、「(アップルは)iTunesからの売上
から世界でも最も著作権者に納付している企業である」と
している。
さらにアップルは文化庁の行政運営が「著作権団体の意見
のみを汲み取り、消費者、機器メーカーの立場は無視し続け
ている」と激しく非難。「アップルを私的録音録画小委員会か
ら閉め出し、欠席裁判で物事を決める閉鎖的な体質を持つ
文化庁の典型的な隠蔽体質を良く表している。(中略)はなか
ら「結論ありき」の審議会運営をする著作権行政を運営する
適切な省庁とは言い難く、速やかに著作権行政を他の省庁
に移管することを強く望む」と訴えている。」

う〜ん、私もこの意見書を読んでみた。確かにアップルジャパン
の知的財産戦略本部は怒っているようだ。
しかし、なにに対して怒っているのかというと「知的財産推進
計画2006」の見直しにあたっての意見表明の場で怒ってい
るのだ。
つまり、1年前の文化庁や私的録音録画補償金制度に対して
怒っているのだ。
この意見表明には28団体(企業)が「知的財産推進計画2006」
に対しての意見を表明している。その中で確かにアップルジャパン
はとてもすっきりする歯に衣をきせないわかりやすい内容で書い
ている。

ただし、あくまで「知的財産推進計画2006」に対しての意見表明
であり今年の3月頃に提出されたものと推測される。
これら意見表明を活かして今年の5月31日に「知的財産推進計画
2007」が発表されている。その中では、知的財産保護の姿勢が
製品の開発を阻害してはいけないという趣旨の文面が記載され
ていたように思う。かなり分量が多いので、斜め読みしかできない
ため精査する必要はあるかと思うが、おそらく私的録音録画補償
金制度をおしすすめる姿勢だけではいけないと思ったのか、さらに
検討をする必要があるといった内容だったはずだ。

年金の記録漏れの問題や、社会保険庁改革関連法案に対する
非難の声が大きくなっている中で、省庁批判をおこなっている
安易な記事に見えてくるのは私だけだろうか?
posted by もりしん at 02:18| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月04日

社会保険庁改革関連法案について

衆議院を通過した社会保険庁改革法案が本日から参議院で
審議にはいる。

6月1日の未明、衆議院本会議で自民、公明の賛成多数で採決
された社会保険庁改革法案に対して、民主党からは「官僚の天下
り先をつくるだけだ」として反対した。
衆議院本会議の模様は毎日新聞によると以下のとおりです。
「与野党攻防の焦点である社会保険庁改革関連法案と年金時効
停止特別措置法案は1日未明、衆院本会議で自民、公明両党な
どの賛成多数で可決され、ただちに参院に送付された。
両法案の衆院通過阻止を目指す野党は、柳沢伯夫厚生労働相の
不信任決議案を提出するなど激しく抵抗したが、与党が押し切った。
政府・与党は両方案を最重要法案と位置づけており、今国会での
成立に全力を挙げる。民主党など野党は参院でも徹底審議を求め
る考えで、夏の参院選を前に、23日の会期末に向けた対立激化は
必至だ。
衆院本会議は31日午後2時過ぎに開会。民主、社民、国民新の野
党3党は逢沢一郎衆院議員運営委員長、桜田義孝厚労委員長の
解任決議案もそれぞれ提出したが、与党反対多数で否決された。
野党側は、さらに柳沢厚労相の不信任決議案を提出して抵抗。
民主党の長妻昭政調会長代理が「(年金の支給漏れ問題の)重大
性を見過ごしてきた責任は大きい」などと約1時間50分にわたって
提案理由を説明するフィリバスター(合法的な議事妨害)戦術を展開
した。自民党の岸田文雄国対副委員長は「国民の不安をいたずら
にあおる党利党略」と反対討論し、同案は反対多数で否決された。
野党の抵抗で審議は長引き、1日未明まで続行された。政府・与党
は今月中旬までの両法案成立を目指しており、4日の参院本会議
で審議入りさせる方針だ。
社保庁改革関連法案は、2010年に社保庁を廃止し、新組織「日本
年金機構」に移行させるもの。与党は当初、29日の衆院通過を目指
したが、年金支給漏れ問題による内閣支持率の急落や、松岡利勝
農相自殺という事態を受け、採決日程を先送り。支給漏れがあった
場合でも受給者の請求権の時効(5年)を撤廃し、全額補償する特措
法案を抱き合わせ、同時に衆院を通過させる方針に転換した。与党
が提出した特措法案は提出翌日30日に衆院厚労委員会で審議入り
し、即日可決された。
政府・与党は両方案を通過させることで「国民の不安をなくす」(安倍
晋三首相)と主張し、年金支給漏れ問題の沈静化を急ぐ。一方、民主
党など野党は「(特措法案でも)実態は変わらない」(小沢一郎代表)
と政府の責任を追求する構えで、参院選をにらんだ論戦は激しさを
増している。」

う〜ん、これって与党とか野党の政治家の問題というより、霞ヶ関界隈
の国家公務員の失態やモラルの問題を、政治家が尻拭いしている
状況ですよね。与党が決めた尻拭いをする方策に対して野党が足り
ないと言って文句をつけている状況ですよね。

2010年に社会保険庁を廃止し非公務員型の「日本年金機構」を設立
することによってこれまでの税金の杜撰な運用の仕方や、公務員に
よる不正な入金情報の閲覧や、年金の入金に関する記載漏れなどの
問題に対処しようとしているわけだけど、民主党は国家公務員法改正
案が役人の天下りを助長するように、「日本年金機構」の設立も同様
に天下りを促すことになることを危惧している。

政府が提出した「天下りバンク法案」は国家公務員の再就職を斡旋
する機関を「官民人材交流センター」に一元管理させようというもの
だが、役人の天下りを国ぐるみで容認していると、民主党はとらえて
いる。
「消えた年金」問題で注目を集めている年金台帳の記載漏れをした
昭和60年当時に長官を務めた元社会保険庁長官も、昭和61年に
退職後、社会保険庁や厚生労働省の5つの関連団体をわたりある
き退職後の支給額は報酬と退職金で2億9000万円になるらしい。

確かに、社会保険庁のまとめた「日本年金機構法案の概要」を見る
と、「日本年金機構」の位置づけは国がアウトソーシングする会社と
しての位置づけになっており、天下りが用意に行えそうだ。

ただ、今国会で話し合っている問題は、社会保険庁を改革して、
国民に対するサービスの向上と、一般常識では理解しえない
年金や保険の運用方法の撤廃を目指して社会保険庁改革法案
を話し合っているわけで、天下りとは別問題だと思える。

とりあえず、この法案は通しておいてそのうえで天下りの問題を話し
あえばいいと思う。
ただし、その前に天下りが果たして本当に問題視されるのは法外な
給与や退職金が支払われているケースが見られるからだ。
退職後の天下りや就職に関しては、楽な老後を迎えるたいと思う
一般人には必要不可欠になる。それ自体が問題になるわけでは
ないはずだ。
posted by もりしん at 11:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月28日

AT&Tの会長兼CEOのウィテイカー氏の退職金が186億円!の付けたし(2)

前回、前々回と米AT&Tの会長兼CEOのウィテイカー氏が6月
3日に退職する話から、AT&Tが行ってきた買収についてかい
つまんで書きました。

前回はベルサウスを買収した背景などに触れてみました。
今回は今年にはいってAT&Tがイタリアのテレコムイタリアを
買収しようとしたときの話を書きます。

結果から述べると、この買収は失敗しました。

2007年にはいって、AT&Tはメキシコの関連会社といっしょに
26億ユーロ(約4264億円)でテレコムイタリアの筆頭株主である
オリンピアの株式の66.6%を購入し、間接的にイタリアテレコムの
経営権を掌握する計画だった。(ちなみに、オリンピアはイタリア
テレコムに18%出資している。)
4月1日にAT&Tが計画を発表したとき、イタリア政府が懸念を表明
した。なぜなら、イタリアの携帯電話会社4社のうち3社がすでに
外国資本に買収されていたからだ。通信業界がすべて外資系に
支配されることによって、イタリア政府のコントロールが効きにくく
なる可能性もでてきた。イタリアテレコムはいわばイタリアの最後
の砦だった。イタリア政府は緊急会議を招集してイタリア資本が
買収するように勧めるプレスリリースを発表した。

イタリアテレコムは、1980年代〜1990年代に国際買収を行う
経営戦略をとっていた。携帯ではヨーロッパでもラテンアメリカ
でもトップクラスの大手として活躍していたが、ボーダフォンや
オレンジなどの攻勢がはげしくいまや落ち目の会社となって
いる。
このイタリアテレコムの苦境に救済にのりだしたのが、F-1の
タイヤやゴム製品などで有名なピレリだ。ピレリはイタリアの
ミラノに本社がある。このピレリがオリンピア株の80%を取得
していた。
しかし、イタリアテレコムの不振に歯止めがかからない状況に
業を煮やしたピレリはオリンピア株を売却してイタリアテレコム
の経営からも撤退することを決定。オリンピア株の売却先を
探した結果、最後に残ったのがAT&Tとメキシコのアメリカ・モ
ービルの2社だった。
そこで先に書いたように、AT&Tはアメリカ・モービルと共同で
26億ユーロを用意してオリンピア株を取得するプランをたてた
わけだ。

今回イタリア政府の反対や、イタリア国内の外資に対する反発
が強いためにAT&Tとアメリカ・モービルはオリンピア株の取得
とそれに付随するテレコムイタリアの経営権取得について断念
した。

今後テレコムイタリアはイタリア国内の銀行の支配下になるか
そのほか大手資本との提携を探すことになる。

結果的にはAT&Tは断念したが、ベルサウスのときと同様に
経営に困窮している通信会社の救済を行おうとしていたこと
は明らかだ。
posted by もりしん at 01:17| Comment(1) | TrackBack(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月26日

AT&Tのウィテイカー氏の退職金が186億円!の付けたし(1)

前回、AT&Tの会長兼CEOのウィテイカー氏が今年の6月3日
に円換算で186億4400万円の退職金をもらって退職すること
になった話を書きましたが、今日はその付けたしです。

AT&Tは2006年にベルサウスを買収しました。

ベルサウスとはどんな会社だったのか? その会社が株式交換
で買収されたとはいえ670億ドル(約7兆9050億円)もの価値が
ある企業だったのだろうか?
ちなみに、米シティグループが日興コーディアルグループを買収
した金額が9200億3500万円で、株を100%取得したとしても1兆
6700億円という金額だし、日本の2003年の年間の国防費が約5
兆2000億円だから、ベルサウスを買収した金額がいかに莫大な
金額かが推測される。ウィテイカー氏がそこまでして買収した
かった理由があるはずだ。

ベルサウスは1984年に米司法省が独占禁止法に触れるとして
AT&Tの22の交換会社が7分割されたなかの1社だ。
ちなみに、このときにアメリカから日本の電電公社の分割をすす
めるように促されて1985年に電電公社が株式会社化され1999年
に現在のように分割されている。

ベルサウスがAT&T(旧サウスウエスタンベル)に吸収合併された
2006年の前年にはBaby Bells は合併により、クエストコミュニケー
ションズ、サウスウエスタンベル、ベライゾンコミュニケーションズ、
ベルサウスの4社になっていた。

当時でもすでに4社による電話網の独占が問題視されることが
あった。

たとえば、2005年3月初めにテキサス州ヒューストンで両親が
ピストルで撃たれた17歳の娘が、911番(=日本の110番)に
電話をしたがその電話は警察につながらなかった。なぜなら、
その電話がIP電話だったからだ。
日本でもIP電話が110番や119番につながるようになったのは
つい最近だが、当時のアメリカでも既存の電話網とは競合の
立場にあったため、Baby Bells もプロバイダ業者を競合という
立場で見ていた。そのため、緊急電話へのルーティングについ
て電話網の独占的な立場にあったBaby Bells は非協力的な
姿勢をとっていた。そのためIP電話から緊急電話に電話がつ
ながらない悲劇がうまれたわけだ。
幸い事件にあった娘は難を逃れて緊急電話がかけられる電話
から通報することができて命は助かったが、下手をすれば殺さ
れていた可能性もあった。
このように市民生活に危険を及ぼしかねない原因はBaby Bells
による電話網の独占に原因があるとして、当時から問題視され
ていたようだ。

ベルサウスという会社自体は米国南部に展開する電話会社で、
広大な田舎町がほとんどで、激しい競争や技術革新の波におさ
れることの少ない地域だった。そのため、1984年にAT&Tから
分社化されたあともあまり買収価値の少ない会社として、M&Aの
動きから取り残されていた会社だった。

ただし、ベルサウスには一つだけ魅力的な事業があった。

それは、2000年4月にSBCワイヤレスとベルサウス・モビリティー
が合併してできたシンギュラー・ワイヤレスという携帯電話事業
だ。
シンギュラー・ワイヤレスは2004年2月にはAT&Tワイヤレスを
買収し、加入者数で米国トップの携帯電話事業者となっていた。
毎年5%づつ減少していく固定電話の利用量や、xDSLサービス
の伸びも鈍化していくなかで、ベルサウスの収益源となってい
たのが、シンギュラー・ワイヤレスだった。

しかし、ベルサウスはいくつかの問題も抱えていた。

AT&Tワイヤレスを買収することで、携帯部門で米国トップに
躍り出たシンギュラー・ワイヤレスだが、当時の資本形態は
ベルサウスとSBC(=サウスウエスタンベルコミュニケーション
ズ)との共同出資だったため、AT&Tの買収を株式交換でお
こなうことができず、すべて現金でおこなわざるおえなかった。
そのため、莫大な借入金が発生することとなったし、AT&Tワ
イヤレスと合併したことで、業績が以前ほど好調とはいえなく
なってきた。
しかも、米国南部をおそった大型台風「カテリーナ」の傷跡は
インフラの再構築や米国南部の経済活動におおきな影響を
あたえ、ベルサウスの経営は危機を迎えていた。

その状況化で双方の思惑が一致したことで、AT&Tとベルサ
ウスが友好的な合併をしたことになる。

う〜ん、こうしてみるとベルサウスの窮地を救ったウィテイカー
氏もまんざらでもないかなと思えてくる。

しかも、同様なケースはまだあるようだ。
posted by もりしん at 03:11| Comment(1) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月21日

AT&Tのウィテイカー氏の退職金が186億円!

今年の4月末に話題になった記事ですが、アメリカのAT&Tの
会長兼CEOのエドワード・E・ウィテイカー・jr(以下ウィテイカー)氏
が6月3日付けで引退することが決まったらしい。

しかも、退職金がなんと1億5800万ドル(約186億4400万円)で、、、
私達一般人にはありえない金額だ、、、
(宇宙旅行に9回近く行ける金額だ。)

ウィテイカー氏はAT&Tが分割された後のBaby Bells の時代も含め
てAT&Tに43年間務めたことになる。
でも、ウィテイカー氏が43年間勤めただけで、これだけの想像を絶
する莫大な退職金になったわけではない。

彼はM&A(企業買収)を積極的に展開することで、AT&Tが米国
でのインターネット接続の半分以上を支配することができる企業
に成長させ世界でトップの通信会社にしたことが評価された結果
だ。
ウィテイカー氏は1986年10月からテキサス州サンアントニオに本拠
を置く旧AT&Tの取締役に就任後、1990年 Baby Bells の一社だっ
たサウスウエスタン・ベルのCEOに就任。その後1996年にパシフィ
ック・テレシスを170億ドル(約2兆60億円)で買収、1998年にアメリ
テックを620億ドル(約7兆3160億円)で買収、2005年に旧AT&Tを
160億ドル(約1兆8880億円)で買収、2006年にベルサウスを当初
予定していた670億ドル(約7兆9060億ドル)から850億ドル(約10兆
300億円)に引き上げて買収した(850億ドルはFCC=米国連邦通信
委員会が2006年12月29日に承認した金額)。
ウィテイカー氏がサウスウエスタン・ベルのCEOに就任して以来17年
の間の大型買収の金額は約1800億ドル(約21兆2400万円)にも
及び、M&Aに費やした総額は2000億ドル(約23兆6000億円)を超
えるらしい。

これらM&Aの効果によって5月に発表されたAT&Tの2007年の第1
四半期(1月〜3月期)の業績は好調で、内容は以下のとおりです。
1.希簿化後1株当りの利益は前年同期比21.6%アップの0.45ドル
2.調整済み希簿化後1株当りの利益は前年同期比25.5%アップ
  の0.45ドル
3.携帯サービスの売上高は13.5%アップ。
4.地域電話事業の売上高は前年同期比7.0%アップ(試算ベース)。
5.プローバンドとビデオ・サービスの成長が加速。
  高速インターネット接続では69万1000件増加。試算ベースでは
  年間230万件増加する予想で1290万件に。
  ビデオ・サービスは18万7000件純増で、加入者数は170万件に。
  AT&T U-verseSMビデオの加入者は年初3000件から1万3000件
  に増加し、現在2万件を突破。
6.AT&Tの2007年第1四半期の純利益は28億ドル(約3304億円)
  で前年同期比200%アップ。
7.AT&Tの2007年第1四半期の調整済利益は41億ドル(約4838
  億円)で前年同期比205%アップ。
   条件1:T-Mobile社との携帯事業提携による4億900万ドル(約
        482億6200万円)を含む。
   条件2:電話帳出版と関連広告サービス分野の繰り延べ売上高
        と関連経費における合併関連費用をパーチェス法会計処
        理で行い3億100万ドル(約355億1800万円)の営業収
益減。
   条件3:AT&Tによるベルサウス社と旧AT&Tとシンギュラー・ワイヤ
        レス社とAT&Tワイヤレス社の買収に関する合計20億ドル
        (約2360億円)の統合および償却費用を含む。
8.AT&Tの2007年第1四半期の連結売上高は290億ドル(約3兆4220
  億円)となり前年同期比184%アップ。
9.2007年第1四半期で8100万株の自社株を約30億ドル(約3540億円)
  で買い戻し、2007年末までに100億ドル(約1兆1800億円)の自社株
  を買い戻す予定。配当金と株買い戻しを合算すると2007年第1四半
  期において株主に52億ドル(約6136億円)を還元した。

これらの業績に基づいて、2007年通年の営業収益率が23%〜24%に
なると見込んでいる。
また、収益率向上の要因は
1.携帯および固定電話分野の業務改善
2.合併相乗効果の一つである徹底したコスト管理
  旧AT&Tとの合併による相乗効果→経費の約6億ドル(約708億円)
                 の削減で全体の経費の約4分
                 の3、資本金の約4分の1に相
                 当する。
  ベルサウスとの合併の相乗効果→経費の約3億ドル(約354億円)
                 の削減で全体の経費の4分の1
                 に、資本金の約4分の3に相当
                 する。
3.ベルサウス社の業績を連結した結果
としている。

これらの業績について現在まだ会長兼CEOのウィテイカー氏は、
「2007年を素晴らしい業績でスタートすることがきました。合併統合
は順調に進行し、売上高も引き続き堅調で、携帯と固定電話の
両方でさらに収益率を拡大することができました。」と述べている。

う〜ん、M&Aの相乗効果であることは自他共に認めているところ
だけど、M&Aをこれ以上すすめることを消費者が強く拒みはじて
ていることも事実だし、M&Aの限界に極めて近づいているように
感じる。(ベルサウスの買収の際には消費者からの強い反発が
あった。)
ここまで大きくなったAT&Tがこれからどう業績を維持していくの
かも問題になるし、再び細分化される可能性だってある。
ウィテイカー氏もそろそろ潮時だと感じて退任するように思える
のは私だけだろうか?
posted by もりしん at 13:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月18日

Googleがユニバーサル検索を開始

Googleが検索部門でさらに一歩抜きん出た。

Googleは米国時間で5月16日に「ユニバーサル検索」なる
ものの発表を行った。
「ユニバーサル検索」とは、ユーザーが検索する際に画像
や動画やニュース、書籍などを1箇所で同時に検索すること
ができるようになる機能だ。
たとえば「スパイダーマン」を「ユニバーサル検索」で検索する
と映画や動画、ニュース、書籍などあらゆる検索結果が一度
のアクションで検索ができる。

さらには、翻訳機能も追加され検索結果がその国の言語で
表示することが出来るようにもなる。

さらにさらに、ユーザーが検索を行う際にユーザーにとって
どのクエリが得なのかを推測する機能も追加される予定だ。
たとえば、「全国の地方選挙の投票状況の速報」という言葉
で検索をした場合、「選挙速報」というキーワードで自動検索
したものも含めて検索結果に表示するという機能だ。

世界のほとんどの地域で今日からユニバーサル検索が使え
るようになるらしいが、日本への導入は未定らしい。
はやく実際に使ってみたいものだ。

米国で5割弱のシェアだが、全国的に利用者が増えるのは
間違いなさそうだ。

Millward Brown Optimor社が今年の4月23日に世界で一番
ブランド価値のある企業としてあげただけのことはあるよう
です。
posted by もりしん at 00:37| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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